【利益を増加させる経営】 

運転資金が必要なのは支払能力が不足しているから





トップページ 業務内容 中小企業経営 経営管理ツール プロフィール お問合せ
 

 資金繰り難を乗り切るための融資は運転資金

1.支払能力が低下しているから運転資金を調達する


貸借対照表より、
流動比率=流動資産÷流動負債
当座比率=当座資産÷流動負債
売上債権/支払債務比率=売上債権÷支払債務
固定長期適合率=固定資産÷(自己資本+固定負債)
などを分析をすることで、 支払能力が低下している原因がわかります。

支払能力が低下(すなわち資金繰り悪化)している時は、
会社が債務超過、倒産に向かう、危険な兆候の現れです。



さて、資金繰りに窮すればどこかからお金を調達しなければなりません。

社長さんの個人預金を解約するか、株式などの個人資産を売却して
運転資金を調達するのも資金繰りのひとつの考え方です。
銀行から融資を受けずとも、これで会社の資金は回っていきます。


銀行から融資を受け運転資金を調達すれば、翌月から返済が開始されますが
この方法なら社長や役員からの借入金を、長期借入金として塩漬けにすることができます。


借入金元金返済額が発生しない訳ですから、
資金繰りは銀行からの融資よりもずっと楽になります。


もちろん、固定負債(科目は役員借入金)が増えるわけですから、
見掛けの自己資本比率は低下しますが、
わざわざ役員借入金として、貸借対照表に記載しとくことで銀行は実質債務と見なしません。

社長や役員からの借り入れができない場合は
銀行から元金返済が必要な運転資金を調達することになります。


2.融資でも返済しなくても良い当座貸越が資金繰りを楽にする


【獲得利益>借入金元金返済額+納税額−減価償却費】
ですから、

銀行からの融資で資金繰りする場合に一番良い方法は、
借りた金を返さなければ良いのです。


これを可能にするのが、当座貸越です。(手形貸付もある)


利息は払わなければなりませんが、元金返済は任意なので
返済原資がなければ、元金返済をしないことで資金繰りはかなり楽になります。


ただし、銀行も簡単には当座貸越枠を設定してくれないかもしれないので、
チャンス・タイミングを逃さず交渉する必要があります。



チャンスは、
・会社の売上が増加しているため、資金が必要になった時
・大量受注があって、資金が必要になった時
・売上の季節変動により、資金が必要になった時

などです。

いわゆる増加運転資金が必要になった時が、このチャンスです。


この増加運転資金、
銀行から見れば、最も融資しやすい運転資金で、割と簡単に借入できます。


もちろん、根拠の説明は必要となります。


増加運転資金とは
売上が増加すれば、債権(売掛金・受取手形)、債務(買掛金・支払手形)
ともに増加しますが、債務の支払と債権回収の時間差による運転資金のことです。



ただ、銀行としても、融資しやすいとはいえ一定の限度があります。

増加運転資金限度額=債権の増加額+在庫の増加額−債務の増加額

と言う事になります。

この限度額が一番大きい時に融資を申し込むのがグッド・タイミングでしょう。


3.納税資金と賞与資金とその他の運転資金


これらの資金を借り入れで賄わなければならいのは、
資金繰りが苦しい経営をしている証拠になります。


「納税額は、得られらた利益の中から支払わなければならない」が経営の原則です。

つまり、この場合は完全に「必要利益」が得らていない訳ですから、
銀行も、黒字ならば「まあ、いいか」くらいでやや容易に、曖昧に、融資に応じることになります。

必要利益ならずとも、 融資の可否において黒字と赤字の差は大きいのです。


その他の運転資金を何と言うのか分かりません。

例えば、
赤字の穴埋めで必要な運転資金
買掛金が払えなくて必要な運転資金
支手決済のために必要な運転資金

(支手決済ができなければ不渡り手形、2回続けば銀行取引停止で事実上の倒産となります)

などですが、これらはもはや運転資金と言えないでしょう。
これらの資金が必要な時は、経営が破綻してしまう可能性があります。

こんな運転資金が必要な時は、
しっかりとしたな経営計画資金繰り表で銀行を説得し、融資を引き出すしかありません。

経営計画と資金繰り表、経営者の話術で銀行が融資に応じ
運転資金を調達できるはずですが、基本的には経営革新が必要なのは言うまでもありません。


4.資金繰りの最後の手段はリスケ


以上の融資も受けられなければ、残された手段はリスケしかありません。
(リスケ:リスケジュール、平たく言えば返済猶予して貰う事)
(国のデフォルト宣言と同じですね)

「とても借入金の返済がかなわないから、返済をストップして欲しい」
と、銀行と交渉する訳です。しかも 借入している全部の銀行と交渉することになります。

リスケは
【獲得利益>借入金元金返済額+納税額−減価償却費】

の、借入金元金返済額を0円にするという意味ですし
こんな状態では納税額もありませんから、しばらく息をつけるでしょう。


さて、リスケをしたら
本気で経営改善を進めなければなりません。
しかも、早期に、大胆に進める必要があります。

リスケの効果はそんなに長く続きませんし
その間は、新規の融資はまず不可能です。


だから、こうなる前に、 経営戦略と経営計画・予算をしっかり策定
真摯に経営に取り組んで行くことが最も大切なことです。


あとは日ごろから、銀行とのお付き合いも上手くやっておいた方が良いでしょう。
支店長や、融資担当者も、経営者の人柄などを
融資の判断基準に加えている場合があるからです。

資金繰りが苦しい原因は、必要利益を満たしていないからですが、
さらに根本原因は、自社の必要利益を知らない可能性があります。
先ずは、必要利益が獲得できる予算作成プログラム【ここをクリック】で、
自社の必要利益を算出しましょう。

 
Copyright © 2008 必要利益が出る予算と経営戦略を立案する経営コンサルタントMSS All rights reserved.
by 必要利益が出る予算と経営戦略を立案する経営コンサルタントMSS