【利益を増加させる経営】 

借入金返済が資金繰りに与える影響





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 借入金返済と資金繰りの関係

1.前回の売掛金が資金繰りに与える影響の振り返りと補足説明


次のような条件の時
@A社は平成○○年4月1日業務を開始しました。
A業種:製造業
B変動比率:40%
C売上代金回収:月末締め3ヶ月後の受取手形
D仕入代金支払:月末締め翌月末現金
E人件費を含む経費(固定費):毎月発生月に支払われるものとする
※なお、便宜上その他の条件(減価償却・借入金返済など)は一切無視します。
F毎月の、売上高が100万円、経費(固定費)が55万円、
 材料仕入れが売上高×変動比率(40%)により40万円。

下記の表のような結果になると言う内容でした。



さて、運転資金に増加運転資金と言うものがあります。
何が増加するのかと言えば、売上が増加するのです。

また、売上が拡大している時は、増加分の売上に対する仕入が増加します。

しかし、売上増加分の代金回収は遅れてきますので、
増加分仕入に対する買掛金支払のための資金が不足します。


この時銀行は、
増加運転資金として、他の運転資金に優先して貸し出しに応じてくれます。



銀行は、赤字の穴埋めのための融資には難色を示しますが
増加運転資金だけは、唯一容易に貸し出す運転資金なのです。


2.借入金返済額が資金繰りに与える影響 例題:1


例題の会社は前述の条件が、
例題1
・自己資本が290万円(すべて現金資産として保有)
・他人資本つまり銀行からの長期借入金が900万円
 (これは、全て開業資金や設備投資に使われたものとします)
・また長期借入金の返済期間は5年(60ヶ月)ですので
 毎月の元金返済額は15万円となります
・減価償却費が毎月5万円発生
のような条件に変わりました。



借入金返済が生じない場合は
6月には期首の現金を使いきってしまいますが
売上高の回収が始まる7月以降、現金は毎月5万円ずつ増え続けています。

毎月15万円の借入金返済が発生した場合は
同じように、6月には期首の現金を使いきってしまいました。
しかし、売上高の回収が始まる7月以降も、毎月10万円ずつ現金の減少が続きます。


さてここで、最初の表では経費支払となっていましたが
今度の表では発生費用と名称が変わっています。

損益計算書の費用の中には減価償却費が含まれますので
それを加えて、経費支払ではなく発生費用として見ました。


減価償却費は損益上経費であっても、現金の流出を伴わない費用科目です。
キャッシュフローでは発生費用から、毎月の減価償却費5万円を減ずることになります。


変動損益計算書を比べてみると
借入金返済と減価償却費が発生しない場合は、
利益が60万円です。
借入金返済と減価償却費が発生する場合は、
毎月の減価償却費5万円が費用になりますので
利益が0円となります。


しかし、キャッシュフローを見ると
借入金返済が発生した場合は、売上高の回収が始まる7月以降も
現金が毎月10万円ずつ不足し続け、期末までに90万円不足してしまいます。
損益上は赤字ではないのですが、
期首からは380万円の現金が流出してしまったことになります。


このケースは毎月の売上が100万円と言う仮定ですが
もし毎月の売上が10倍の1000万円で、その他も10倍ならば
現金流出は、実に3800万円と言うことになります。


現金が不足すると言うことは、当然支払のための資金が不足する訳です。
その後他の資金需要がなくても、翌期以降も毎年120万円の資金不足が生じてきます。
したがって、長期借入金の返済が終了するまで運手資金を調達しなければなりません。
しかし、事業活動は新たな設備投資や、突発的な修繕費用の発生など
常に何かしらの新しい資金が必要となります。


また、損益計算書上で利益が出ていれば、翌期5月には納税しなければなりません。
これまた納税資金を借りないと納税できないことになります。

これでは、頑張って黒字経営を達成しても、まるで自転車操業のようです。


3.借入金返済額が資金繰りに与える影響 例題:2


さて、それでは
例題2
・自己資本が260万円(すべて現金資産として保有)
・他人資本つまり銀行からの長期借入金が600万円
・また長期借入金の返済期間は10年(120ヶ月)にしたので
 毎月の元金返済額は5万円となります
・減価償却費が毎月5万円発生
の場合はどうでしょうか。


借入金が300万円少なく、返済期間も倍の10年になりました。
毎月の借入金元金返済額は、15万円から3分の1の5万円に減少しました。



この場合でも6月に現金を使いきってしまい
その後売上代金の回収が始まってもキャッシュフローはトントンの状態で
現金が一切増えることはありません。

これだけ借入金の返済条件が緩和されてもなお、資金繰りは厳しい状態なのです。

このように借入金の存在により、
たちまちキャッシュフローが悪化し経営が難しくなってしまうのです。
【いかに、借入金返済が企業活動に重大な影響を及ぼすか】
分かっていただけましたでしょうか。


以上のことは
「企業は儲け=必要利益を知り、それを獲得し続け自己資本の充実を目指す」
と言うことを意味しています。

決算書の利益はほんとうの利益ではなく、
「長期借入金返済と納税資金を賄うことができる利益」が企業の儲けなのです。


そのために儲け=必要利益を獲得できる予算とその進捗管理、および資金繰り管理は、
健全経営のためには、欠かすことができない重要なことなのです。

管理会計の一丁目一番地は、必要利益の獲得で、自己資本を充実させることです。
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