【利益を増加させる経営】 

価格と製品戦略





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 製品戦略で価格が決まる

1.製品の特性


顧客が商品購入を決定するまでの要素=KBF(Key Buying Factor)は、製品の特性により一様ではありません。
したがって、製品の特性を知ることから製品戦略がスタートし、価格が決定されます。


しかし、製品の特性は製品の数だけあるはずですから、世の中に出回っている製品一つ一つの特性について語ることはできません。

そこで、製品の特性については、
1)製品のカテゴリー
2)製品のライフサイクルはどの段階にあるのか
3)どのような購買行動で購入される製品なのか
4)購買決定までのプロセスはどうなのか
5)その他
以上のような切り口で導き出し、製品戦略を立て価格決定したら良いと思います。


2.製品のカテゴリー


製品は、耐久財・半耐久財・非耐久財・サービスに分けることができます。
耐久財とは、耐用年数(使用期間)が長い製品(電気製品・自動車・機械など)で、販売後のアフターなども必要となります。
固定費回収のためには、価格は高めに設定する必要があります。

半耐久財とは、耐用年数(使用期間)が短い製品(靴・衣類・工場消耗品など)で、価格は高級品・廉価品などでまちまちです。

非耐久財とは、耐用期間がない製品(食料品など)で、価格は比較的低く設定されます。

サービスとは、無形の製品で、形や性能で評価されづらいため、価格よりも、質や、売り手と買い手の信頼感が重視されます。

また、それぞれは不特定多数の個人消費を対象にした消費財と、公共機関や企業を対象とした生産財に分けることができます。


3.製品のライフサイクルはどの段階にあるのか


製品のライフサイクルは、導入期・成長期・成熟期・衰退期の4つの段階があります。
これをPLC(プロダクト・ライフ・サイクル)と言いますが、それぞれの段階で市場の成長率や、需要の大きさが違うので、 それぞれの段階で、マーケティング戦略・製品戦略・価格戦略が変わって来ます。

ただし、製品によっては一時のブームで去って行くものや、ロングセラーを続けるもの、突然売れだすものがあります。


4.どのような購買行動で購入される製品なのか


マーケティングでは、製品ごとに顧客の購買行動を見極めなければなりません。購買行動によって価格戦略も変わって来ます。

顧客の購買行動とは
@予算ありき型:生活必需品で有っても無くても、欲しいもので、嗜好品的要素が強く、顧客は予算に応じた購入行動を取ります。
パソコンやスマートフォンなどが代表的な商品です。

Aブランドが大事型:価格よりブランドです。好きなものであれば価格に関係なく購入します。ただし、価格の高低は全く関係ありません。
洋服や時計、自動車などが代表的な商品です。

B安価品訴求型:安ければ安いほど良く、質やブランドにこだわりません。日用品購入における購買行動です。

C高額品訴求型:最高品質を期待し、最も価格が高いものを選択する購買行動です。

D衝動買い型:買う目的が無くても買ってしまう購買行動です。比較的安価な商品であり、販売者の戦略に見事にはまってしまいます。
コンビニのレジ横商品や、ワゴンセールなどが衝動買いを誘う典型です。

E対人関係安心型:主に店員さんの影響によるお店選択型の購買行動です。自分で購入決定に自信が無く、信頼できる店員さんの専門的説明が必要です。

自社の製品が、どのような購買行動で購入されるのかはとても重要なことで、購買行動に適した価格戦略が存在します。


5.購買決定までのプロセスはどうなのか


消費者を放っておいて購買してくれるはずがありません。売り手が購買決定に至るプロセスを仕組んでいくことが重要です。
仕組むべきプロセスには、AIDMAAMTULの購買決定までのプロセスモデルを利用します。

AIDMAとは
消費者の購買行動にいたる短期的なプロセスモデルがAIDMAです。
A:Attention(注目);知らない人に注意を促す
I:Interest (興味);知っているが関心のない人に興味を持たせる
D:Desire (欲求);興味はあるが今は欲しいと思っていない人に欲しいと思わせる
M:Motive (動機);欲しいと思っているが購入動機の無い人に動機付けする
A:Action (行動);動機があるが購入機会がない人に購入行動を引き起こさせる

消費者が欲しいと思うまでは、広告や販促が中心となり、その後セールス活動で動機付けし・行動(購買)を起こさせる。

AMUTULとは
消費者の購買行動にいたる長期的なプロセスモデルがAMTULです。
A:Aware (認知);認知してもらう
M:Memory (記憶);覚えてもらう
T:Trial (試用);試しに使ってもらう
U:Usage (使用);本格的に使ってもらう(リピーター)
L:Loyalty(固定客);ファンになり紹介してくれる(囲い込みを行う)

AMUTULでは、顧客が今、どの状態にあるのかを測定し、次の目標を設定して行くことが必要です。


6.その他の製品の特性について


上記以外にも製品の特性として
・商品知識があるのかどうか
・購入頻度はどうか
・購買決定者は誰か
などがあります。


このような製品特性の分析から、顧客が購買に至るまでの要素(KBF)を導き出し、適正な価格を決定することになります。

もちろん価格決定に際し、どのくらい販売すれば、どのくらいの利益が期待できるのか、 製品別原価計算を実施するのは当然のことです。

また、製品特性の分析から導き出された販売価格で、利益が確保できるための原価計算シミュレーションを繰り返し、 必要に応じてコストダウン要素を探り、安易なコスト積み上げによる価格決定に陥らないようにすることが重要です。

そのためには合理的な原価計算ツールや、価格決定がシミュレーションできるツール 【ここをクリック】があれば理想的な製品戦略・価格戦略が可能となります。

 
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