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1.総原価を操作する=コストダウンとは
前回のおさらいとなりますが
総原価とは、
総原価=加工高+販売管理費割当額+原材料費+外注加工費
なので
総原価を操作するとは
(1)加工高を操作する
(2)販売管理費割当額を操作する
(3)原材料費を操作する
(4)もしあれば、外注加工費を操作する
※(これ以降4、については省略します)
と言うことに他なりません。
総原価を操作するとはコストダウンすることですから上記は、
(1)加工高(あるいは加工単価)を低減する(コストダウン)
(2)販売管理費割合額を低減する(コストダウン)
(3)原材料費を低減する(コストダウン)
ということになります。
2.総原価の低減=コストダウンは何を低減するのか
加工高(あるいは加工単価)を低減する(コストダウン)
加工高とは、
加工高=当期製造原価−(原材料費+外注加工費)
なので、
加工高を低減=コストダウンするためには
@労務費を低減する(コストダウン)
A製造経費(現場経費)を低減する(コストダウン)
することになります。
あるいは加工単価を低減=コストダウンするためには
上記の労務費と製造経費(現場経費)を低減=コストダウンする他に
生産性の向上=単位あたりの加工(製造)に要する時間を短縮する
ことで実現できます。
販売管理費割合額を低減する
販売管理費とは、
役員報酬+人件費+その他の販売管理費
ですから
販売管理費割合額を低減=コストダウンするためには
@役員報酬
A人件費
Bその他の販売管理費
を低減=コストダウンすることになります。
また、
生産性の向上=単位あたりの加工(製造)に要する時間を短縮できれば
当該製品に割当てられる販売管理費を低減=コストダウンすることができます。
なぜならば、
販売管理割当額は製品製造(現場作業)に要する時間に連動して増減するからです。
原材料費を低減する
原材料費を低減=コストダウンするためには
@仕入単価
Aロス率
を低減=コストダウンすることになります。
3.販売価格は総原価の低減=コストダウンの実現により決定される
販売価格が市場の意向により決定されるのであれば
単純なコスト積み上げにより総原価を算出して
総原価に必要利益を加えて決定された販売価格は
市場の望む価格になり得ません。
「当社の製品は、どれくらいの価格で市場に受け入れられるのか?」
「どの程度総原価を操作すれば、市場の望む価格になり得るのか?」
をシミュレーションするのが、
原価計算の本来の意義であると思います。
そして、
「市場の望む価格になるように総原価を低減するために原価計算をする」
これを、企業努力と言うのではないでしょうか。
・市場の意向を尊重した価格決定
・コストダウンのための原価計算
なしでは、市場競争に生き抜いて行けないと思うのです。
販売価格の決定は実に難しいものです。
市場の意向と言いますが、それを見極めるための情報も必要です。
経営は限界利益率を向上できれば、収益性が高まり経営体質が向上して行きます。
自社や自社の製品に、他社に圧倒的強みがあれば
より高い価格設定が可能になるでしょう。
あわせて、総原価のコストダウンができれば、より多い利益の獲得が可能です。
原価計算とは、妥当と思われる販売価格はいくらであると言う仮説を立て、
この価格から利益を得られるように総原価を操作することなのです。
総原価の低減で、市場の意向に沿った販売価格を繰り返しシミュレーションするためには
予算に連動した原価計算プログラム【ここをクリック】が必要です。
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