【利益を増加させる経営】 

損益計算書の読み方





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 損益計算書を簡単に理解する方法

1.損益計算書を簡素化して見る


損益計算書は、貸借対照表に比べて分かりやすいと思います。
また、経営者の方なら、必ず毎月目を通しているはずです。

概ね、以下のように
損益計算書・販売管理費内訳書・製造原価報告書のスタイルになっています。

損益計算書の仕組み

ここで、損益計算書の見方ですが
上の表の太文字になっているところを、真っ先に注目すると良いでしょう。
ここから問題点を見つけ出し、その後、内訳を見て行くことにします。

その方が、分析し易いのです。

そこで、次に、損益計算書の太文字部分だけ取り出し、極限まで簡素化して見ましょう。


2.簡素化された損益計算書を分析し問題点を探す


ある会社の損益計算書を極限まで簡素化したものです。

簡素化された損益計算書

随分見やすくなりましたので、分析をして見たいと思います。

まず、経常利益ですが、0となっています。
これではいけません。来期は黒字にしなければなりませんね。
そこで、利益が出なかった要因がどこにあるのか、探してみます。

この会社の利益を増加させるためには、
@売上総利益(粗利益)の向上
A販売管理費の削減
B営業外費用の削減
C販売価格の値上げ
の4つがあります。

まず、売上総利益(粗利益)率ですが、14.2%です。
かなり問題があると言わざるを得ません。

黒字にするためには、売上総利益(粗利益)率の向上が、最大の課題となります。

売上総利益(粗利益)率が低いということは、売上原価が高すぎることが原因です。
つまり、売上総利益(粗利益)率の向上は、売上原価の低減に、全てが掛かってきます。

この会社の場合は、当期商品仕入れがありませんから
売上原価の低減=製造原価の低減ということになります。

そこで、始めて内訳、つまり製造原価報告書を見ることになります。

私の場合は、まず、未成工事支出金をチェックします。

もし、期末の未成工事支出金が大幅に増えている場合は、
売上総利益(粗利益)率低下の、一つの要因になります。

今回は、期首と期末で大きな差がありませんので、とりあえず問題なしとします。

次に、製造原価のうち、変動費に相当する科目をチェックします。
この場合は、材料費外注費になります。

外注費の割合が、かなり高いことに気づきます。
次に大きな比率を占めているのが、材料費です。

すると、製造原価の低減のためには、この二つに、手を付けなければなりません。
つまり、外注費と材料費の低減なしで、売上総利益(粗利益)率の向上は望めないのです。

来期やるべきことは、明確です。

材料仕入価格の値引と、外注単価の引き下げです。
これなしに、売上総利益(粗利益)率の向上はあり得ません。


ここが肝心なのですが、「出来ないのではなく、やらねばならぬの」です。

次にチェックするのは、販売管理費の内訳です。

削減できるところはないか、各科目をチェックします。
大きな金額の科目から、始めるのが良いでしょう。
この時、勘定元帳で明細をチェックして行くと、意外な無駄が発見できます。

徹底したコストダウン意識を持ち、冗費は必ず削減します。

その次に、営業外費用を見ます。
たぶんこの会社場合は、ほとんど支払い利息であると思われます。

この削減をどうするのかと言えば、
金融機関と粘り強く交渉して、金利を低減してもらいます。

他銀行と競争させてもいいでしょう。

最後は、販売価格を値上げする方法があります。

販売価格を値上げすれば、売上総利益(粗利益)率が向上します。

ただし、値上げは販売数量の低下をもたらすこともありますので
十分なシミュレーションを繰り返し、タイミングを検討する必要があります。

このように、損益計算書を分析して、黒字予算を作成します。


3.予算作成には変動損益計算書を利用します


損益計算書の分析により、課題が分かったら
変動損益計算書を作成し、概略予算を作成します。

以下は、この会社の変動損益計算書です。

変動損益計算書

概略の変動損益計算書は、何度も繰り返しシミュレーションするのに向いています。

損益計算書で、各科目を一つ一つ予算化する方法は、とても非効率です。
まずは、変動損益計算書で、予算作成し
その後に、損益計算書を微調整しましょう。

概略変動損益計算を利用した予算作成に適した
予算作成ツール【ここをクリック】を利用すればとても簡単に実行できます。

損益計算書は見ることは簡単です。
しかし、来期予算を作成するためには、以上のような見方が必要になります。

結果の確認ではなく、「もっと利益を増加するためには、どうしたら良いのか」
そのために、損益計算書と変動損益計算書を活用してください。

 
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