【利益を増加させる経営】 

必要利益の求め方





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 損益分岐点から必要利益を生み出す予算を作成する

1.損益分岐点売上高と必要売上高を求める公式(復習)


損益分岐点売上高と必要売上高は、
損益分岐点売上高=固定費÷(1−(変動費÷売上高))
 ▼
損益分岐点売上高=固定費÷(1−変動比率)
 ▼
必要売上高=(計画利益+固定費)÷(1−(変動費÷売上高))
 ▼
必要売上高=(計画利益+固定費)÷(1−変動比率)
  ※1−(変動費÷売上高)=(1−変動比率)=限界利益率

以上の公式で求めることができます。


2.変動費と固定費に変化があった場合の必要利益(期待利益)の求め方


必要売上高=(計画利益+固定費)÷(1−(変動費÷売上高))

ここで同じ売上高で、変動費と固定費に変化があった場合は、

売上高=(利益+固定費+固定費増減)÷(1−((変動費+変動費増減)÷売上高))
となります。


さらにこれを展開していくと、

売上高=(利益+増減後固定費)÷(1−(増減後変動費÷売上高))
利益=売上高×(1−(増減後変動費÷売上高))−増減後固定費

 ▼
【利益=売上高×(1−増減後変動比率)−増減後固定費】

この公式で期待される利益を求めることができます。


ABC株式会社を例にとって実際に期待される利益が
いくらになるのか計算して見ましょう。(単位:千円)




売上高は増減なし
 売上高=100,000

変動費を5%削減
 変動費=36,000×95%
    =34,200

 変動比率=34,200÷100,000
     =34.2%=0.342

固定費を5%削減
 固定費=60,000×95%
    =57,000

以上を公式に埋め込むとABC株式会社の要約変動損益計算書は



利益=売上高×(1−増減後変動比率)−増減後固定費
  =100,000×(1−0.342)−57,000
  =100,000×0.658−57,000
  =65,800−57,000
  =8,800
となります。

当初の利益は4,000でしたが、
変動費・固定費ともに5%削減することで
利益は4,800増加、2.2倍になります。

損益分岐点売上高は、93,750から86,626へと低下します。



ちなみに、要約変動損益計算書表中下段に、経営安全率とありますが、
黒字を維持するために、どのくらいの売上減少に耐えられるかを表しています。
経営安全率の数値が高いほど、不況に強い経営体質と言えるでしょう。


損益分岐点グラフで、この違いを見てみます。



変動費と固定費を5%削減後のABC株式会社の損益分岐点グラフ



両者を比較すると、総費用線の傾きが小さくなり、
固定費線が下に移動し、損益分岐点が下降しているのが分かります。


このように、変動損益計算書を利用して、
売上高・変動費・固定費・利益の数値を自由自在に操ることで先ず概略予算を作成し、
その後本予算あるいは、詳細予算に向かうのがよろしいかと思います。


その際一番適切なのは、
最初に必要利益を決め、必要利益を獲得するために変動費と固定費を操り、
最後に売上高を決定する

これが、必要利益を生みだす正しい予算作成手順です。


予算作成ツール【ここをクリック】は自社の必要利益を明らかにしてくれます。

 
 
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