【利益を増加させる経営】 

販売管理割当率で合理的な原価計算





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 販売管理費割当率が原価計算のキーポイント

1.販売管理費割当率とは


ある製品の総原価として、販売管理費を割り当てる場合に一番合理的な考え方は
製造部門1人が1時間作業する時に
販売部門はどれだけの作業時間を負担したら良いのか

を考えれば良いのです。

例えば
製造部門年間実質総作業時間は10000時間
同様に
販管部門年間実質総作業時間も10000時間ならば

製造部門1人が1時間の作業をするならば
販管部門も1時間の作業を原価に割り振ることになります。


これは両部門の作業時間がたまたま同じなので分かりやすいのですが、
通常こんなことはあり得ません。


それでは
例題1
製造部門年間実質総作業時間は10000時間
販管部門年間実質総作業時間は12000時間ならばどうでしょう。

販管12000時間÷製造10000時間=1.2となりますから
製造部門1人が1時間の作業をするならば
販管部門は、その1.2倍の1.2時間を負担すれば良いのです。

次に
例題2
製造部門年間実質総作業時間は10000時間
販管部門年間実質総作業時間は 8000時間ならばどうでしょう。

販管8000時間÷製造10000時間=0.8となりますから
製造部門1人が1時間の作業をするならば
販管部門は、その0.8倍の0.8時間を負担すれば良いことになります。


これが販売管理費割当率と言う意味で、次の計算式となります。

販売管理費割当率=販管部門年間実質総作業時間÷製造部門年間実質総作業時間


2.販売管理費割当率より販売管理費割当単価を算出する


さてここで
製造部門1人・1時間あたり作業単価(加工単価)が4000円
販売管理部門1人・1時間あたり作業単価が3000円とします。

例題1の時
販管部門は、製造部門の1.2倍の作業時間を負担することになりますから

販売管理部門1人・1時間あたり割当単価は
3000円×1.2=3600円となります。
例題2の時は
販管部門は、製造部門の0.8倍の作業時間を負担することになりますから

販売管理部門1人・1時間あたり割当単価は
3000円×0.8=2400円となります。


これが販売管理部門1人・1時間あたり割当単価と言う意味で
次の計算式となります。

販売管理部門割当単価/人・時
=販管費作業単価/人・時×販売管理費割当率



中小企業の場合、より迅速に、より簡単に原価計算をする必要があります。
もし、社長さんが本格的原価計算を実行したいのならば、それもよろしいかと思います。

しかし、以前に申し上げましたが
どんな方法を使おうが、100%正確な原価計算は不可能です。
そして、本格的個別原価計算は、膨大なデータと、手間と、時間が必要になります。

また、原価計算だけで販売価格や見積価格を決定する訳ではありません。
だから、より迅速に、より簡単に概略の原価計算を実施すれば良いのではないでしょうか。


経営はすべからく匙加減です。
概略の総原価が分かれば、いか様にも対応できるはずです。

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